ちょっと気持ちが煮詰まってきた午後、なんとなくGoogleマップを開いてみた。どこかへ行きたい。でも、どこへ?
画面を眺めているうちに、「吉祥寺」「三鷹」の文字がふと目に留まった。
地方に住む私にとって、それは少し遠くて、よく知らない場所。だからこそ、気になった。
よし旅してみよう!

\\ひとり旅だって良いじゃないか//
■ 井の頭恩賜公園|緑と水の中で深呼吸

吉祥寺駅を出てすぐ、まっすぐ歩いた先に広がるのが井の頭公園。
アスファルトの大地の中にこんな所があるとは。
井の頭恩賜公園と桜池

池のまわりをぐるっと歩くだけなのに、なぜだか心がゆっくり整っていく。
この時期は桜の見頃であることから、たいへん混んでいた。恥ずかしながら、この年になるまでアヒルさんボートを見たことがなかった。
身近で見ると、意外に不気味だ。
それとは裏腹に、青空と桜が心を穏やかにさせてくれる。
ここが都心のオアシスだと思う。
■ 井の頭自然文化園|小さな動物たちに癒される

池のほとりをあとにし、近くにある文化園にも足を運んでみた。
参考までに大人ひとり、400円の入場料がかかる。
井の頭自然文化園とフェネックギツネ

リスがちょろちょろと走る小道、ふわふわした動物たちの寝姿。
私が気になったのはこの動物だ。調べてみると、北アフリカに生息しているフェネックというキツネらしい。
耳が大きくて、ぬいぐるみみたいなその姿が人気とのこと。確かに見ているこちらまで和んでくる。
ここにいる生き物たちは、きっと人間より“今”をちゃんと生きてるんだろうな。
■ 三鷹の森ジブリ美術館(外観)|童心と静けさが同居する場所

自然文化園を見終わり、近くを散策してると。三鷹の森ジブリ美術館を発見。
今回は予約してなかったから中には入らなかったけど、美術館の建物だけでもじゅうぶんワクワクする。
三鷹の森ジブリ美術館とロボット兵

木々に囲まれた丸みのあるデザイン、屋根の上のロボット兵。子どものころに戻ったような気持ちになるけど、同時にとても静かな場所だった。
中学生のころ、「同級生の女子たちがジブリ美術館に行きたいと学校のパソコンで検索していた。すると入場券を手に入れるのに一年待ちと書かれていたようで嘆いていた」なんて記憶を思い出した。
あの当時は、もののけ姫や千と千尋の神隠しなどの大ヒット作品を連発していたジブリ。
入場券が手に入りにくいのもうなづける。
今では毎月10日に予約すれば翌月に行ける。時の過ぎ去る早さをシミジミ感じるのであった。
■ 裏路地のカフェでひと休み|フジヤコーヒー supports by 横森珈琲

公園をひと通り歩いたあと、三鷹駅近くのカフェ「フジヤコーヒー supports by 横森珈琲」に立ち寄った。
店先では、白くまが「Welcome~」と言わんばかりの表情で出迎えてくれている。
自家製あんバタートースト

この店の人気メニュー「あんバタートースト」は、カリッと焼かれた厚切りパンの上に、自家製の粒あんとバターがとろりと溶けている。
甘さと塩気のバランスがちょうどよくて、一口食べた瞬間、思わず「これはうまい」と心の中でつぶやいてしまうようだ。
見てる側としても思わず顔がゆるんでしまう。
■ ハモニカ横丁の小さな定食屋|ひとりでも、浮かない

最後に訪れたのが、吉祥寺駅前のごちゃごちゃした通りにある、昔ながらの横丁ハモニカ横丁。
狭い道にいろんなお店が並んでいて、まるで昭和にタイムスリップしたかのような雰囲気。
ハモニカ横丁と店屋街


焼き鳥、定食、立ち飲み、雑貨、古着……どの店も小さくて、ぎゅっと詰まってる感じがいい。
海外で言うところの市場的存在だと思う。
暖簾が揺れていたり、カウンターの奥で魚を焼く煙が見えたり、瓶ビールを片手に静かに過ごす人がいたり。どこも入りやすそうだ。
ひとつひとつの店を眺めながら、「今度はここに入ってみようかな」と妄想するのも、また楽しい。
次回は、神楽坂・飯田橋辺りを探索しようかな。
誰にも気を使わず、ゆっくり歩いて旅する。
これが一人旅の醍醐味だと思う。
\\旅で心が豊かになる//